マスターor大将

駅から歩いて数分。街の賑やかな通りから一歩入ったところに、隠れ家の如く佇む店がある。


”大森食堂”


4月の新歓の折に知り合った4年生の女のコが、お酒の話で盛り上がったときに教えてくれたお店。彼女がバイトしてるそうなのだが、”ワインもウィスキーも焼酎も日本酒も、雰囲気良く楽しめるお店”だそうで。どんなもんかと思って行ってみた。

市立図書館の近くにあるお店なのだが、まずお店そのものを見つけるのに一苦労。店の入り口は少し奥まっていて、おまけに通りからすぐ見えるような場所に看板とか目印らしきものは無い。ネット情報もあったが、二度も目の前を通り過ぎて気がつかなかったほど。

雰囲気のある木の扉を開けると、目の前にはバーカウンターっぽいものが。カウンターには焼酎やウィスキー、シャンパンの瓶が並ぶ。店全体の雰囲気は、和と洋の中間を絶妙なバランスで捕えた感じだ。なぜかザクの頭、しかも三倍速いヤツが一緒に並んでたが(笑)


カウンター席に座ると、気の良さそうな、かなり若い主人が穏やかな声で話しかけてくる。


”何にしますか?”

”メニューみたいなのはないですか?”

”一応そこにありますけど・・・かなり大雑把ですが(笑)”


テーブルにおいてあったそれらしきものを手に取ってぱらぱらとめくってみると、メニューはこんな感じ。


”生ビール”
”焼酎”
”ウィスキー”
”カウンターのお惣菜”
”焼き物”
”煮物”
”揚げ物”
”お寿司”
”ご飯もの”






大雑把過ぎだろ( ̄- ̄;)



”えっと、じゃぁ芋焼酎をお願いします”

”どんな感じのがお好きですか?芋らしいのとか、味わい深いのとか・・・”

”あ、じゃぁ味のしっかりしたのを”

”かしこまりました”


出されたのは鹿児島の焼酎で、”阿久根 號”という銘柄。一口飲んでみると、これがオレの好みのど真ん中。透明感のある味わいの中にもふくよかさと奥があり、バランスの取れた複雑味が広がる。今まで飲んだ焼酎の中では萬膳が一番のお気に入りだったが、これはそれに肩を並べる。


主人といろいろと話をしてみると、客とコミュニケーションを取りながら客の好みを聞きながら探りながら料理を用意していく、というスタンスらしい。あれこれと話しかけてくれたお陰で、こっちもお酒を楽しむことができた。初めて入ったお店で、これだけくつろげることはなかなか無い。

もともと寿司屋で働いていた方のようで、おまかせでお願いして穴子と鯖をそれぞれ一貫ずつ頂いたが、これが丁寧に作られていてなかなか旨い。突き出しでいただいた牛時雨煮も旨かった。もちろんそれ以外にもいろいろ作ってはるようで。”言われたらとりあえずできそうならやってみる”とのこと。何かと言えば”食堂ですから”と主人は笑いながら話す。朝一で出張する常連さんに、お味噌汁と焼き魚の朝ご飯を作ったこともあるとか。一次会ですでに腹がふくれていたので食べ物はそれほど頼まなかったが、次に来たときにはいろいろ食べさせてもらいたもんだ。


↑の女のコが出勤して来るのを待って、少し喋ってから帰路に。夜12時から朝方までバイトってのも大変ですな(^_^;)


てゆかこういうお店の場合、店の主人は”マスター”と呼ぶべきか”大将”と呼ぶべきか?見た感じは”大将”の方がしっくりくるようだったが・・・まぁ、次の話題にとっておくとしよう。