笑いとカガク

面白い話を聞いてきた。
村上和雄さんという方の講演。タイトルは”私のナイトサイエンス〜笑いや感動が遺伝子をオンにする〜”。研究においては知性や論理的思考が必要であると共に、主観や感性、直感といったものも重要な役割を果たすとした上で、”笑うコトが人の身体にどのような影響を与えるか”ということについて、吉本と共同で研究を進めてらっしゃるそうだ。
話を聞いていると、なるほど確かに笑うコトは人の身体にいい影響を与えるようだ。症状の軽い糖尿病患者について、講義を聴かせた後と漫才を見せた後の血糖値を測定すると、後者の方が血糖値の上昇率が低いそうだ。これと遺伝子発現を結びつけるのは若干話が飛躍しているように思えたが、我々が普段感じる”笑いが多い方が何かにつけて良い”ということを科学的に裏付けた一例であると言える。
人の精神状態と健康とは、非常に密接に関わりがあるのは誰しも納得しているだろう。私にとって”精神と健康との関わり”の最初の経験は、亡くなった祖母がまだ元気だった頃、胃潰瘍で入院した時のことだ。手術の後、医者からは”退院までは早くて1ヶ月”と言われていた。にも関わらず、祖母は3週間で退院したのだ。これには医者も驚いた様子。祖母はゲートボールが大好きで、お見舞いに行くといつも”早くゲートボールがしたい”と言っていた。その強い思いが回復を早めたのだと、今でも思っている。
ネガな気持ち=精神的なストレスが身体に悪影響を及ぼすのはよく知られていることであるが、その逆もやはりあるのだ。笑うコトを含めポジティブな気持ちは健康を促進する効果があり、そしてそれは感性を育てて新しい発想へと繋がっていく、というのが今回の講演の主旨であったと理解する。心豊かな生活に笑いが欠かせないのは自明の理であるが、研究を進めて行くにあたっても笑いは重要なのだ。
今の生活を考えてみると、毎日何かで笑えている。今のラボに移ってきてから、自分はあれこれと成長できたと近頃思う。いい環境を作ってくれている、ラボのメンバー全員に感謝。また飲みに行って、思いっきり笑いましょう(笑)