PARANOiA

”偏執狂患者”と訳される。DDRプレイヤーにとっては、1作目でボス曲として登場し、以降のシリーズも最高難易度の曲として君臨してきた馴染みの深い曲だ。曲の始めのバックに現れるグラフィックも曲そのものも、現実から離れた精神異常者を彷彿させる。


昨日は片道2時間かけて、天保山サントリーミュージアムで開かれているダリ展に行って来た。


遠すぎ(~~;)


特別展にはよくあることだが、ダリの初期の作品から晩年のものまで一通り揃えてあった。そういう場合、広く浅すぎて内容が薄い場合が多い。が、今回のは作品数も多くて内容も濃く、加えて彼の足取りも辿る事ができた。絵画のみならず彼が手がけたオブジェもあり、また印象派キュビスムなど様々な影響を受けて最終的にシュルレアリスムに進んで、更にそれ以降の作品の変遷をも辿れたのは、個人的には非常に興味深く感じた。美術展に行って、分厚いパンフレットを買って帰ったのは久しぶりだ。

彼の絵で、おそらく最も有名なのは”記憶の固執”。ぐにゃりと曲がった時計が印象的なあの絵は、美術の教科書でもお馴染みだろう。個人的には、あの絵よりも後に描かれた”ダブルイメージ”を用いた作品の方が好きだ。彼は自身の手法を”偏執狂的批判的方法”と称した。常人とは違ったように物が見えたともされる。見方を変えれば違った物が見えてくる”だまし絵”の様な絵からは、現実と空想の狭間に生き、それらの融合を試みた姿が伺える。背景には幾重にも重なる思考の交錯があり、それらの融合に執着した彼は、”偏執狂的”ではなく、まさに”Paranoia”そのものではなかったろうか。

人が多くて一つ一つの作品と対話するのは難しかったが、展覧会そのものにはかなり満足。彼の作品の見方が少し変わって、これからは今まで以上に楽しめそうだ。


帰りにミュージアムの側のカフェで食べた”ナスとズッキーニのパスタ”も美味しくて、充実した一日でしたわ(  ̄▽ ̄)