業績、論文

先日、柳田先生のブログを久々に見てみたところ、こんなことが書かれてあった。


ポスドクのK君ことし科研費当たったとのこと。”


今年は科研費の申請が出せない。うちの大学では、というか一般的に、科研費雇いの常勤のポスドクには科研費の申請が認められていない。”科研費はそのプロジェクトの遂行に全て使われなくてはならない”という理念があり、これに沿った規定があるから。
裏を返せば”常勤でなければ”申請資格は認められるわけで。担当の事務の人の話によれば、非常勤のテクニシャンの人たちなんかは実は申請資格が認められていたりする。そのあたりを考慮して、科研費雇いの研究員でも申請資格を得ることもできるらしい。それやったら、はじめからそういう雇いの形体にするようにうちのボスにきっちり説明してや、とも思い。まぁよくある話だが、うちのボスは”聞いてない”と切れ気味で、事務の方は”説明しましたよ”と言い。お互いにコミュニケーションがとれていないのがよくわかる。競争的資金を取ったかどうかは業績になるわけで、申請資格が無いってのは資金獲得に関してスタートラインにすら立ててないということになる。そんなところで不平等を生むのはやめて欲しいものです。まぁ、事務と何度もやりとりしていたら”あまり目立つようなことはしないようにね”と言うようなボスと、こっちからお願いするまで他の大学でどいういう対応を取っているかを調べてくれないような事務なので、お互いに真面目に議論したとは思えんが・・・。民間の助成金に関しては申請できるものもあるので、とりあえず今年度一杯はできる限りそういったところに応募するしかなさそうです。



業績といえば、論文もそれに当たるわけで。大隅先生のブログには、こんなことが書いてあった。


”良い本(雑誌、パンフレット)を作るためには、良い本などを見ておかなければならないのと同じように、良い論文を書くためには、良い論文を読んで、一体どこが良いのか、感性を磨く必要があります。”


良い論文を書くために良い論文を読む。やはりこれは必要ですね。このことを具体的に言葉にして最初に教えて下さったのは、京都にいた時の教授のK先生。今のうちのボスは、オレが学生の時から自分の研究分野にしか興味の無い人だったし、基○研のボスはJCではいつも”その論文の情報がうちの研究とどういう関連があるのか?”って聞いてくる人だったし。だから、ポスドク2年めが終るまで他の研究分野の論文を読むことはほとんど無かったし、それでいいと思っていた。京都に移って最初のうちは激しく戸惑ったが、他の分野の論文を読むことがだんだん面白くなっていったのを覚えている。慣れない分野の論文は、背景がわからなかったりそもそも使われている英単語の種類が違ってたりして読むのが大変な場合が多いが、本当にいい論文は著者たちの主張はもとより、彼らがその発見をした時の感動すら伝わってくる。


そういった意味で、今のうちのラボのJCは激しくつまらんです。暗黙の了解で自分の研究に関連したものを紹介することになっていて、スタッフは”いい論文を紹介するように”と簡単に言うが・・・うちの研究に関連した論文は毎週だいたい10-20報くらい出てはいるが、”いい論文”と呼べるものはそのうちのせいぜい1報。2報あることはかなり希。無いことすらある。それを毎週学生2人に紹介させるって時点でムリがある。関連分野のしょーもない論文を読むよりかは、準備に時間がかかったとしても、他分野の素晴らしい論文をじっくりと読んで紹介させることにも、教育としての大きな意味はあると思うのだが・・・。


後期は、ひょっとすると論文紹介をするチャンスがあるかもしれない。最近は知識を入れるための論文を主に読んでいたので、久々にいいモノを探すとするか。